〜ピンク・レディーになりたかった〜
子どものころ、従姉妹とふたりで「ピンク・レディーごっこ」をしていた。
「UFO」「サウスポー」…レコードから流れる歌に合わせて、息を合わせて踊る。
衣装は、モダンバレエの発表会で作ってもらったステージ衣装。
本来はバレエ用なのに、私たちにとっては憧れのアイドル服だった。
キラキラとしたその衣装を身につけると、ちゃぶ台のある居間が一瞬でステージに変わった。
ある日、母の同窓会に連れて行ってもらった。
集まっていたのは、松竹歌劇団の華やかな女優さんたち。
その前で、従姉妹と私は堂々とピンク・レディーを披露した。
大人たちの視線に囲まれながらも、不思議と緊張はなく、
ただ「見てほしい!」という気持ちだけで夢中になって踊った。
あの頃の「アイドルごっこ」は、
舞台や歌への憧れを、確かなものとして私の心に残してくれた。
🐶チャロのひとこと
「“ピンク・レディー”? 2人なのにレディースじゃないんだね。」
「この振り付け…ぼくもできるかも!?」



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